Timeline Studio:ブラウザで動くオープンソースAI動画編集ツールの使い方
Timeline Studioは、ブラウザだけで完結するローカルファーストのAI動画編集ツールです。WebGPUとONNX Runtime Webにより、自動字幕・AI音楽生成・ウォーターマーク除去・デジタルヒューマン生成などの高度なAI推論をユーザーのデバイス上で直接実行します。動画データをクラウドにアップロードする必要がなく、プライバシーを守りながら本格的な動画編集が可能です。GitHubでのスター数は341を超え(2026年7月現在)、MITライセンスで商用利用も可能です。
Timeline Studioとは?ローカルファーストAI動画編集の概要
Timeline Studioは、JavaScriptで構築されたブラウザ動作型のオープンソース動画編集ツールです。従来のクラウドベースの動画編集サービス(CapCut、Adobe Express等)とは異なり、すべての処理をユーザーのブラウザ内で完結させるという設計思想を貫いています。
v0.7.1時点の主な特徴は以下のとおりです。
- CapCutスタイルのマルチトラックタイムライン(Visuals・キャプション・ボイスオーバー・BGM等)
- Whisper q8 ONNXによる自動字幕生成(日本語含む多言語対応)
- Stable Audio 3 Small Q4 ONNXによるAI音楽生成
- MI-GAN・NanoVSR 644KによるAIウォーターマーク除去・超解像
- JoyVASA + LivePortraitによるデジタルヒューマン(リップシンク)生成
- PWAとしてのインストール・オフライン対応
- 310テスト通過済みの安定したコードベース
開発者MartinDelophyはQiitaに日本語の技術記事を複数投稿しており、日本語コミュニティへの積極的な貢献も確認されています。
主要AI機能一覧:10以上のAI機能をブラウザだけで利用可能
Timeline Studioの最大の特徴は、重いAI推論をすべてローカルで実行できる点です。
自動字幕生成(Whisper ONNX)
Whisper small q8 ONNXモデルを使用し、動画の音声から自動的に字幕を生成します。波形認識による高精度なタイミング推定と中国語向けの後処理も実装済みです。日本語も含む多言語の字幕生成に対応しており、字幕ファイルをタイムライン上で直接編集できます。
AI音楽生成(Stable Audio 3 Small)
Stable Audio 3 Small Q4 ONNXモデルがWebGPUで動作し、テキストプロンプトから30・60・90・120秒の音楽を生成します。生成された音楽はMy Assetsに自動保存され、タイムラインのBGMトラックに即挿入できます。HuggingFaceとModelScopeの両方にモデルがミラーされており、接続環境に応じて自動的に速い方を選択します。
ウォーターマーク除去・動画修復(MI-GAN × NanoVSR)
MI-GANモデルにより、指定した時間範囲・領域のウォーターマーク・オブジェクトをブラウザ内で除去できます。NanoVSR 644Kを使った4倍超解像は画像・動画どちらにも対応し、ビフォーアフターの同期比較プレビュー機能も搭載しています。
デジタルヒューマン生成(JoyVASA × LivePortrait)
JoyVASAで音声からモーションを生成し、LivePortraitのWebGPUニューラルレンダリングで顔画像をリップシンクさせます。256pxプレビューと512px品質出力の2段階設定に対応しています。
CapCut・DaVinci Resolveとの違い:なぜ今Timeline Studioが注目されるのか
Timeline Studioを理解するうえで、既存ツールとの比較が参考になります。
CapCutはAI機能を豊富に持ちますが、すべての動画データをサーバーにアップロードして処理します。プライバシーが重視される企業の内部コンテンツや未公開映像を扱う場合、この仕様は大きなリスクになります。Timeline Studioはすべての処理をブラウザ内で完結させるため、動画がデバイスの外に出ません。
DaVinci Resolveはプロ向けの高機能DAWですが、Windowsアプリケーションとしてのインストールが必要で、学習コストも高めです。Timeline Studioはブラウザを開くだけで使え、共同作業者に.timelineプロジェクトファイルを送るだけで環境を問わず再現できます。
Adobe Premiere Proはサブスクリプション費用が月額数千円かかりますが、Timeline StudioはMITライセンスの完全無料OSSです。セルフホストすれば追加コストゼロで運用できます。
GitHubのトレンド(Trendshift)で急上昇している背景には、「クラウドに頼らずブラウザだけでAI動画編集を実現した」という新しいアプローチへの注目があります。
こんな人に向いている:職種別・実務活用シナリオ
YouTuber・Vtuber:字幕・BGM・ウォーターマーク除去をブラウザ完結
動画投稿者にとって最大のメリットは、サードパーティサービスへのアカウント登録なしで使える点です。WhisperによるSRT字幕生成、Stable Audioによる著作権フリーBGM自動生成、MI-GANによるロゴ・ウォーターマーク除去をすべてブラウザ内で完了できます。収益化を意識する場合もMITライセンスで商用利用が明示的に許可されています。
教育コンテンツ制作者:多言語展開のコスト削減
eラーニングや社内研修動画を制作するインストラクショナルデザイナー・研修担当者にも向いています。Whisperで自動字幕を生成し、複数言語のボイスオーバー(中国語Piper/VITS、英語Kokoro 82M、日本語等)を重ねることで、1本の動画を低コストで多言語展開できます。
スタートアップ広報・マーケター:クラウド費ゼロでAI動画量産
人手の少ないスタートアップでは、コンテンツマーケターがJoyVASAのデジタルヒューマン機能を使って顔出し不要のAI解説動画を量産できます。NetlifyやVercelへのワンコマンドデプロイで社内動画制作環境を構築でき、クラウドAPIの従量課金が発生しません。
フロントエンドエンジニア:WebGPU×ONNX実装の学習教材として
WebGPU・WebCodecs・ONNX Runtime Webのリファレンス実装として、ブラウザAI開発を学ぶフロントエンドエンジニアにも価値があります。同梱のAIエージェントスキル(Claude Code / Codex / Copilot対応)を活用すれば、AIエージェントを通じた動画編集自動化パイプラインの構築も可能です。
Timeline Studioの始め方:インストールと基本操作
ライブデモで今すぐ試す
インストール不要でお試しするなら、ライブデモにアクセスするだけです。
https://video-editor.ai-creator.top/
ChromeまたはEdgeの最新版(WebGPU有効)でアクセスすると、すべてのAI機能が使えます。モデルのダウンロードが初回のみ発生しますが、以降はブラウザキャッシュから高速起動します。
セルフホストする
Node.js 20以上とChromiumベースのブラウザが必要です。
git clone https://github.com/MartinDelophy/ai-video-editor.git
cd ai-video-editor
npm install
npm run dev
ローカルURLがViteにより表示されます。本番ビルドとNetlifyへのデプロイは以下のコマンドで完了します。
npm run build
npx netlify-cli deploy --prod --dir=dist
AIエージェントスキルのインストール
Claude CodeやCodexと連携したAI自動編集を使う場合、以下のコマンドでスキルをインストールします。
gh skill install MartinDelophy/ai-video-editor edit-timeline-studio --agent claude-code --scope user
使う前に知っておきたいこと:制限・注意点・ライセンス
プラットフォーム・ブラウザ要件
Timeline StudioはChromiumベースのブラウザ(Chrome 113以上、Edge最新版)を強く推奨します。WebGPUを使うAI機能(Stable Audio・NanoVSR・デジタルヒューマン等)はWebGPU非対応のSafari / Firefoxでは動作しません。Firefoxでは基本的な編集・書き出しは動作しますが、重量級のAI機能は利用不可です。
ハードウェア要件
大容量AIモデル(Stable Audio 3: 約500MB、Whisper small: 約120MB等)を初回実行時にダウンロードします。十分なGPUメモリ(4GB以上推奨)とストレージが必要です。モバイルブラウザでは基本編集は可能ですが、AI機能はデスクトップを推奨します。
エクスポート形式
現在対応しているエクスポート形式はMP4(H.264/AAC)・MOV(H.264/AAC)・WebM(VP9/VP8)です。ProRes等のプロフェッショナル形式は未対応です。ロードマップによれば、今後はヘッドレスレンダリングの拡充とMCP対応が予定されています。
ライセンス
MITライセンスです。商用利用・改変・再配布いずれも許可されています。ただし、使用しているONNXモデル(Whisper、Stable Audio等)は各モデルのライセンスに従います。商用プロダクトへの組み込み時はモデルのライセンスを個別に確認してください。
まとめ:プライバシー重視のAI動画編集OSSとして注目の一手
Timeline StudioはブラウザとWebGPUを最大限活用し、「クラウドなしでAI動画編集を完結させる」という課題に正面から取り組んだOSSです。CapCutやAdobe Expressが当たり前とするクラウド処理を拒否し、ユーザーのデバイス上で完結するアーキテクチャは、プライバシーを重視するコンテンツクリエイター・エンジニア・企業に刺さる差別化ポイントです。
GitHubスター数341・310テスト通過・MITライセース・Product Hunt 2026年8月ローンチ予定と、今後さらに注目度が高まる一方です。今のうちに試しておくことをおすすめします。
GitHub: https://github.com/MartinDelophy/ai-video-editor
ライブデモ: https://video-editor.ai-creator.top/
この技術を学ぶ
クリエイティブ・動画編集・AI活用に興味を持った方には、Udemyのオンラインコースもおすすめです。
- 🎓 関連するクリエイティブ・AI動画コース一覧 — セール時(最大90%OFF)を狙うとお得です
関連記事
この記事が役に立ったらシェアしてください