delivery-harness とは?配送業務向けAIエージェントハーネスのJava参照実装を解説
delivery-harnessはJava 17+/Spring Boot 3.5で構築された配送業務向けAIエージェントハーネスのオープンソース参照実装です。決定論的ワークフロー・ビジネスツール・軽量RAG・OpenAI互換エンドポイント・評価フレームワーク・ヒューマンレビューガードレールを1つの教育的MVPに統合しています。
GitHubで急上昇中の diudiu-tech/delivery-harness をご紹介します。 スター数 1,950★ を獲得し、AI分野で注目されているツールです。
delivery-harness とは?
delivery-harnessはGitHubで1,950スターを獲得したAIエージェントハーネスの参照実装です。配送業務(異常注文分析・補償提案)を題材に、Java 17・Spring Boot 3.5・OpenAI互換クライアントを組み合わせ、AIエージェント設計パターンを実践的に学べます。合成データによるビジネスツール・ルールベース補償エンジン・インメモリ評価基盤が含まれており、本番システム設計前のプロトタイピングや研究目的に最適です。
40以上のリリースと112のテストを持つ成熟した教育的プロジェクトで、GitHub Actions CIも整備されています。
こんな人におすすめ:
- エンジニア向け: JavaバックエンドエンジニアがAIエージェントのアーキテクチャパターン(ツール呼び出し・RAG・ガードレール・評価)を実装例として学べます。Maven Wrapper付きの本格的なプロジェクト構成です。
- 非エンジニア向け: プログラミング知識が必要なため、エンジニア専用のリファレンス実装です。
主な機能・特徴
アーキテクチャ概要
delivery-harnessは4つのMavenモジュールで構成されています。
| モジュール | 役割 |
|---|---|
harness-common |
DTO・例外・JSONヘルパー・トレースコンテキスト(内部依存なし) |
harness-core |
エージェント/ツール/LLM/知識/評価/観測の全コアロジック |
harness-api |
Spring Boot実行可能アプリ:コントローラー・バリデーション・例外マッピング |
llm-inference |
ピン留めOllamaコンテナ定義とスモークテスト |
実装済み機能
- 固定ワークフロー(異常注文分析・補償提案)の2つの同期ワークフロー実装
- OpenAI互換クライアント抽象化(Ollamaまたは互換エンドポイントで動作)
- ルールエンジンによる補償額決定(モデルではなくルールが決定するADR-0002準拠)
- インメモリRAG(テキストチャンキング・字句検索・ルール・ケースベース)
- リクエストトレースID・ステップ実行時間・評価スコアラー・フィードバック保存
意図的に除外された機能
READMEに明記されている未実装の項目:自律エージェント計画・本番ツール統合・ベクター埋め込み/RAG・認証・レート制限・分散トレーシング・自動補償実行。これらは意図的に除外されており、教育的目的に集中した設計です。
使い方・始め方
セットアップ手順
JDK 17以降・Maven 3.6.3以降・Dockerが必要です。
# 1. リポジトリのクローン
git clone https://github.com/diudiu-tech/delivery-harness.git
cd delivery-harness
# 2. ローカルモデルを起動(Ollamaを使用)
docker compose up -d ollama
docker compose exec ollama ollama pull qwen2.5:7b
# 3. ビルドとテスト実行
./mvnw verify
アプリケーション起動とAPI使用
# アプリケーションを起動
./mvnw spring-boot:run -pl harness-api
起動後、以下のAPIエンドポイントが利用可能になります:
# 異常注文分析(6つのシナリオ注文IDで試行)
curl -X POST http://localhost:8080/api/v1/orders/{orderId}/analyse
# 補償提案
curl -X POST http://localhost:8080/api/v1/orders/{orderId}/compensate
テストと評価
# 全テスト実行(112テスト)
./mvnw test
# 特定モジュールのみテスト
./mvnw test -pl harness-core
テストはOpenAI互換インターフェースの背後に隠れているため、モデルなしで実行可能です。
AIエージェント ハーネス Java 使い方:実践的な活用事例
JavaエンジニアのAI統合設計学習
JavaバックエンドエンジニアがAIエージェント設計パターン(ツール定義・RAG・ヒューマンレビュー)を実装例から学び、自社サービスへのAI統合設計の参考にするユースケースが最も典型的です。Spring Boot 3.5・Java 17という現代的なスタックで書かれており、既存のSpringプロジェクトへの知識移転が容易です。
ローカルLLMでのエージェントハーネス研究
AIシステムの研究者がOpenAI互換エンドポイントとOllamaを使い、ローカルLLMでのエージェントハーネス評価基盤の構築方法を学べます。qwen2.5:7b がデフォルト例として挙げられていますが、OpenAI互換の任意のエンドポイントに切り替え可能です。
AIシステムの評価基盤構築の参考
インメモリの評価ランナー・スコアラー・フィードバック保存の実装は、本番AIシステムの評価基盤設計の出発点として活用できます。スコアラーが「期待値なし」の場合は完璧なスコアではなく「未測定」と報告する設計も参考になります。
なぜ今このツールか?他のAIエージェントフレームワークとの違い
LangChain4j・Spring AIとの比較
Java向けのAIフレームワークとして、LangChain4jやSpring AIが存在します。これらは汎用的なLLM統合ライブラリであり、多様なユースケースをサポートしますが、「特定ドメインのエージェントハーネス設計」を端から端まで示す参考実装ではありません。
delivery-harnessの差別化ポイントは、特定のビジネスドメイン(配送)を題材に、ルールエンジンとAIの役割分離・評価基盤の内蔵・トレーサビリティを一貫して示している点です。「AIはアドバイスし、ルールエンジンが決定する」というADR-0002の設計哲学は、本番AIシステム設計に直接活用できます。
GitHubで急上昇している背景
2026年時点でAIエージェントハーネス・評価フレームワークへの関心が急増しており、Java/Spring Bootエコシステムでの実装例が不足していた空白を埋めるプロジェクトとして注目されました。40以上のリリースを重ねた成熟度も信頼性の証拠です。
こんな人に向いている
JavaバックエンドエンジニアでAI統合に関心がある人 既存のSpring BootプロジェクトにAI機能を追加したいJavaエンジニアに最適です。Maven Wrapper・GitHub Actions CI・詳細なADRドキュメントが揃っており、チーム開発への導入もしやすい構成です。
AIシステムの評価基盤を設計しているMLエンジニア テスト不能なAIコンポーネントを扱うMLエンジニアにとって、OpenAI互換インターフェースによるテスト分離と評価スコアラーの実装が参考になります。112テストがモデルなしで実行できる設計は、CI/CD統合の模範です。
AIエージェントアーキテクチャを研究している学生・研究者 「ガードレール・決定論的ワークフロー・RAG・ヒューマンレビュー」を実際のコードで確認したい研究者に有用です。各設計決定がADR(Architecture Decision Record)として文書化されており、設計の意図と背景を理解できます。
使う前に知っておきたいこと
技術的制限・要件
- 教育的MVP・本番利用禁止: READMEに明記されている通り、合成データ使用・インメモリ状態管理・モデル出力はアドバイザリであり、本番システムとして使用してはいけません
- JDK 17以降必須: Java 17の新機能(Sealed Classes等)を使用しているため、古いJDKでは動作しません
- モデルのメモリ要件:
qwen2.5:7bで動作確認されていますが、実際に必要なメモリはモデルによって異なります。8GB以上のRAMを推奨します - 認証なし: デフォルト設定では認証がないため、パブリックネットワークへの公開は禁止されています
- 分散状態なし: 状態はインメモリ管理のため、再起動すると失われます
ライセンス
MIT Licenseで商用利用・改変・再配布が可能です。ただし、合成注文データはMITライセンスの対象外の場合があるため THIRD_PARTY_NOTICES.md を確認してください。
関連ツール・おすすめサービス
- Perplexity AI — AIエージェント設計の最新トレンドや論文調査に活用できるAI検索ツール
- DigitalOcean — Ollamaを含むdelivery-harnessを自己ホストするクラウド環境の選択肢
Spring Boot OpenAI 互換 エージェント オープンソースのまとめ
delivery-harnessはAIエージェントハーネスの設計パターンを体系的に学べる稀な教育的リファレンス実装です。JavaエンジニアがAI統合システムを設計する際の出発点として活用でき、40以上のリリースと112テストの充実度が信頼性を担保しています。
「AIはアドバイスし、ルールエンジンが決定する」という設計哲学は、本番AIシステムに求められるトレーサビリティと説明可能性を実現するための実践的アプローチです。GitHubで1,950スターを獲得した注目のプロジェクトを、ぜひ参照実装として活用してください。
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